この世界
少し上から 見下ろして
厚底ブーツの あたしは強い
(東京都 sa)
母になり
我が子の成長 嬉しくて
立った歩いた 靴履いた
(茨城県 みんたんmama)
徒競走
転んだ友の 靴拾う
娘は心の 1等賞
(東京都 スミス)
靴選び
子供の成長 気付かされ
嬉しくもあり 寂しくもあり
(徳島県 どらみかこ)
やわらかな
小さな足を 包むのは
最初の靴と 母の手のひら
(岐阜県 柚子酒)
断捨離と
人は気楽に 言うけれど
思い出つまる 幼子の靴
(山口県 うめやえのきだけ)
車なく
空も飛べない わたくしは
この靴履いて ただ歩くのみ
(東京都 阿久根 けん)
春うらら
笑顔あふれる 通学路
いろとりどりの まっさらな靴
(兵庫県 大橋高橋)
新品を
意にも介さず 泥んこに
翼を得たりと 駆ける我が子よ
(長崎県 中村天洋)
見た目より
まずは居心地 履き心地
じっくり選ぶ 伴侶とシューズ
(東京都 ルーク)
亡き父の 靴を整理し 思い出す
一緒に行った 思い出の地を
(愛知県 松庵)
子供靴 すぐに大きく 成長し
小さくなった 靴を履く母
(大阪府 りっさん)
まっさらな 学生靴を 履く息子
まあ初々し 涙あふれる
(東京都 AAA)
まっさらな 運動靴で 一歩ずつ
祖母に付き添う 試歩の道のり
(兵庫県 まなみ)
営業は 靴が命と 亡き祖父の
靴磨く背中 真似る父と子
(愛知県 ゆん)
下駄の音 響いたころの 夕涼み
(愛媛県 やすのじ)
玄関を 我が物顔で 陣取った
左右が逆の 可愛いお靴
(埼玉県 のぽ丸)
登山靴 値段張ったが 長持だ
百名山を お前と制覇
(静岡県 百名山)
ヒールしか 履く気なかった 20代
走れる靴しか 履けない産後
(群馬県 栃木県産とちおとめ)
玄関に そっと置かれた ローヒール
亡き妻おもい 磨く秋の夜
(神奈川県 プリン山)
喜寿越えし 介護の父の 摺り足を
ふわりと包む 新しき靴
(三重県 海風)
靴磨き 心鎮めて 初出社
スキル磨いて 夢へと向かう
(滋賀県 PON5)
みぎひだり 反対に履きし 幼子も
いま母となり 我が子の手を引く
(岩手県 立花ミドリ)
お気に入り だったあなたの スニーカー
玄関に置く 一周忌の朝
(山口県 コウ)
「自分なんて」 俯くばかりの 毎日に
自信をくれた 10cmヒール
(福岡県 うたげ)
散らばった 靴が今では 懐かしい
揃えた靴に 成長を見る
(東京都 清濁子)
夫婦して 老後に始めた ハイキング
ちょっと恥ずかし ペアシューズ
(愛知県 森野くま)
玄関に 孫の靴が 散らかされ
それを並べて 楽しむ祖父母
(鹿児島県 小町)
帰省した 息子の靴に よびかける
私の代わり 見守ってねと
(千葉県 パルプー)
玄関に あふれんばかり 靴の山
帰省で気づく 家族の絆
(兵庫県 ヒノマル)
春風と なってふわりと バー越ゆる
シューズの先を 青空に向け
(愛媛県 キクちゃん)
革靴の 隣に並ぶ 初孫の
靴を見るたび 頬ゆるむ朝
(新潟県 影虎)
はいはいで くつを掲げて 笑う君
うん、歩こうね 明るい未来へ
(神奈川県 みーやん)
気に入りの 靴を長く 履きたくて
遠回りした 夕暮れの道
(長崎県 森野小路)
定年後 妻とお揃い スニーカー
足並み揃え 一緒に生きる
(岐阜県 けんちゃん)
入社式 不安な気持ち 抑えつけ
固く結んだ 心と靴紐
(東京都 ななせ)
卒寿越え 百歳目指す 母の靴
二人三脚 我の靴
(大分県 ほっこりはん)
新人の 私と同じ この靴も
やがては汚れ 経験を積む
(群馬県 杜貴弓)
よちよちと 歩んで今を 踏みしめる
小さな靴に 君を託して
(埼玉県 モモスケ)
捨てないの? 笑う息子は 大学生
赤ちゃん靴が 戸棚の片隅
(東京都 さえ)
履くだけで 足取り軽く 嬉しいな
気分も弾む 不思議な力
(長野県 ペンネームなし)
足元が おしゃれの基本 愛着の
ある靴洗い 干してまた履く
(大阪府 7月)
清掃の 仕事は身なり 清潔に
今日も汗かく 白いスニーカー
(愛知県 なるみん)
停戦は 実現せずに 日が過ぎぬ
瓦礫の中に 軍靴一足
(大阪府 オウンゴール)
一年で また買い替えだ 運動靴
子の成長に 顔がほころぶ
(東京都 たま)
七夕の 飾りに負けず 子らの靴
色取り豊か 玄関映えて
(神奈川県 七夕生れ)
亡き父の 下駄箱の中の 靴眺め
父の思い出 走馬灯の如く
(大阪府 濱口誠一郎)
玄関に 置かれた夫の 通勤靴
感謝を呟き そっと揃える
(千葉県 アッキー)
いつからか 靴のサイズが 同じだよ
気付く幸せ 子の成長
(京都府 シロさん)
営業で 日々一万歩 革靴と
ともに歩みて ともに定年
(東京都 さざれいし)
歩き出す 孫の散歩に 連れ添うじい
大小二つ 滑らぬ靴
(千葉県 まっくん)
上履きを 洗濯機にて 洗う嫁
婆はビックリ 時代は変わる
(群馬県 スズメ)
健康は 足元からと 妻が言う
散歩がてらに お揃いの靴
(福岡県 ペンネームなし)
ヒール履き 仕事スイッチ 入れる日々
コツコツ響く 好きな靴音
(山口県 きなこもち)
京の町 人行き交う中 カランコロン
訪れた夏 楽しげな色
(京都府 食ぱん)
黒雲が 泣きて黄色い 雨靴を
履きし少女が 跳び微笑みぬ
(青森県 金糸雀)
少しずつ 大きくなってく 靴たちは
小さな命の 足跡示す
(大阪府 すいかぼうや)
アルバイト 稲苗補植 田んぼ中
すっぽりぬかり 動かぬ長靴
(北海道 いつも くつずれ)
亡き父が 就職祝いと くれた靴
突き返した日 胸を突き差す
(愛知県 mako)
玄関で 靴紐結ぶ 娘見て
未来を願う 妻の横顔
(鹿児島県 奄名美瀬)
足元で 介護支えて くれた靴
亡き母ともに 供養する夏
(神奈川県 冬子)
デイケアへ 出かける祖母に 買った靴
100歳までも 歩けるように
(大阪府 はるやす)
春の陽に 新しき靴 照らされて
夢と歩み出す 始まりの朝
(宮城県 おむすび太郎)
散歩する 運動靴の 相棒は
我を支えて じっと耐える
(福島県 羽鳥湖まほろば)
磨り減った 古靴見れば よみがえる
若き旅の日 遠き山川
(栃木県 しまりん)
くたびれた くつと顔じゃ ダメと孫
古希の祝いは ピカピカの靴
(滋賀県 しなやかーる)
新しき 靴に靴紐 通しつつ
夢や希望が ジグザグ交差
(神奈川県 瀬尾早美)
セールスは 足で稼げと 言われし日
潰した靴に 感謝の涙
(佐賀県 月見風)
長靴も 今やオシャレに 履きこなし
憂鬱な雨 心は晴れに
(兵庫県 福)
夏休み スニーカーから サンダルへ
夏の相棒 つま先弾む
(神奈川県 カンカン)
スパイクに 夢を託せし 甲子園
夢叶わずとも 血騒ぎたり
(福岡県 三宅雄城)
古希過ぎて 若者気取り ペアシュ-ズ
妻と買い物 足どり軽く
(東京都 短冊シンちゃん)
炎天下 靴に焼け付く アスファルト
何足替えた 営業の君
(千葉県 月見里明雄)
くたびれた テニスシューズに ありがとう
思い出される 部活三昧
(兵庫県 福山百合)
入学式 慣れない革靴 靴づれに
期待と不安の 新生活
(東京都 緑茶)
母の手に おさまるほどの 君の足
初めての靴 胸におさめて
(山形県 象たん)
かぽかぽと ママの靴はき 歩く子よ
周りの大人 みなトリコ
(福岡県 ど根性先生)
僕のサイズ 背は小さいのに 母を抜く
(香川県 かずま)
靴底を 減らして増やす 得意先
今日も頼むと 一歩踏み出す
(兵庫県 博之介♪)
存分に 磯遊びした ベランダに
マリンシューズの 干物が並ぶ
(東京都 ふわりねこ)
リハビリの 父と並んで 歩んだ日
かかとの減りは 努力の証
(京都府 赤のリストバンド)
道端で 泣きべそかいてる 落とし靴
(東京都 のぴこ洞)
三世代 靴も並んで 迎え盆
(北海道 ゆきこ)
玄関に 小さい靴が 増える度に
歩く速度が 遅くなる祖母
(岡山県 ジョアン)
玄関に 違うサイズの 靴並び
賑やかになる 盆と正月
(宮城県 くぅ)
よちよちが よろよろに変わる 道のりを
共に歩みし 靴の数々
(埼玉県 美柑)
玄関の 靴のタイプが ふえるたび
家族がふえる 笑いがふえる
(栃木県 膏肓娘)
靴箱に まだ置かれてる 母の靴
微笑み掛ける 靴とるたびに
(滋賀県 びわゴン)
無地の靴 選び「買って」と 持ってきた
子の足にいる キャラの微笑み
(岐阜県 774)
今までは 仕事で黒の 靴ばかり
これからは履くぞ 好きな色
(大阪府 おとみさん)
赤ちゃんへ 親戚たちが プレゼント
私が持つより 多くの靴を
(岡山県 さくらもち)
白スニーカー 自分のですと 言い張って
履いてみるけど 違う気してる
(兵庫県 丹下あおぞう)
目を見れず 俯き歩いた 帰り道
覚えているのは あなたの靴色
(東京都 さめの)
ハチマキと ポニーテールと 靴紐を
キュッと結んで 走り出すキミ
(東京都 あいぼんぬ)
友達が 玄関前で 靴揃え
垣間見えた 意外な一面
(神奈川県 蜜柑)
誕生日 孫にもらった スニーカー
ネオンカラーで 「光る婆へ」と
(滋賀県 華杏)
表札と 靴の数には 大きな差
過疎化進むが 幸せ減らぬ
(鳥取県 因伯兎)
靴紐を 結び直して 空を見た
君と二人で 生きると決めた
(岡山県 山葵わさび)
目印を 見えぬところに ちょっと付け
今日の法事は 新調の靴
(栃木県 テクノボー)
お揃いの スニーカーの紐 締めなおし
今は私が 母の手をひく
(東京都 ハコネコ)
いざ行かん 靴紐締めて 深呼吸
牛革香る 面接の朝
(沖縄県 さちまご)
母と子で 両手繋いだ 散歩道
まだ見ぬ世界へ 靴音鳴らす
(東京都 あきずもち)
夏休み 散らかる靴も 楽しそう
(石川県 シロギス)
復学を 決めた息子と 靴を買う
少しずづでも 前へと進め
(群馬県 みかん)
震災の 記憶と備え 忘れずに
枕元には はき慣れた靴
(東京都 風信子)
憧れの 赤い靴履く 少女には
通学時間の 長きが嬉し
(宮城県 木漏れ日)
父親の 靴のサイズを 超えた日に
父に言われた 「大きくなったな」
(千葉県 ミミズク)
コツコツと 音のする靴 生徒に乞われ
買ってはみたが 痛みに負けたの
(愛知県 おおもりももこ)
こだわりが なかったひとりの 玄関が
気づけば色の オンパレードに
(東京都 ぽんぴー)
ゴム草履 虫取網と せみの声
幾年過ぎし 夏の思い出
(兵庫県 ペンネームなし)
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